Discography
2013

Desolation Rose

Belle Antique (132180-1)ボーナス・ディスク付限定盤 (2CD)
(MAR132179) 通常盤 (CD)



Musicians;

Roine Stolt - El&Ac Guitars, Vocals, Add Keyboards
Jonas Reingold - Electric Basses, Vocals
Tomas Bodin - Grand piano, Hammond B3, Minimoog
Hasse Fröberg - Vocals, Electric Guitars
Felix Lehrmann - Drumkit & Percussion

The Mighty Choir;

Michael Stolt, Declan Burke, Nad Sylvan, Andy Tillison, Edgel Groves Sr & Jr, Jonas Reingold, Daniel Gordon, Hasse Fröberg, Roine Stolt.

*

Tracks;

1. Tower ONE (13:39)
2. Sleeping Bones (4:16)
3. Desolation Road (4:00)
4. White Tuxedos (6:30)
5. The Resurrected Judas (8:24)
6. Silent Masses (6:17)
7. Last Carnivore (4:22)
8. Dark Fascist Skies (6:05)
9. Blood Of Eden (3:12)
10. Silent Graveyards (2:52)

*

Bonus disc

1 Runaway Train (4:40)
2 Interstellar Visitation (8:23)
3 Lazy Monkey (2:23)
4 Psalm 2013 (2:08)
5 The Wailing Wall (3:18)
6 BadBeats (5:22)
7 Burning Spears (3:13)
8 The Final ERA (2:57)

TFKの良さは音の美しさと、心に訴えかける優しさや温かさにあると思います。
世の中には、他にも素晴らしいバンドが沢山あって、良い曲を作るバンドもあるし、演奏テクニックを誇るバンドもあります。でも、私にとって、それらのバンドとTFKと、どこが違うかというと、丁寧な音の仕上げ方と、それによって「心」を余すことなく伝える表現力なのではないかと思うのです。。

本作「Desokation Rose」では、私がTFKに望んでいるものがギッシリと詰まったものとなりました。

これは、アルバム全体が、まるで一つの楽曲のように流れ、明暗のバランス、ヘヴィネスと軽快さ、動と静の対比などが、いつも以上に見事です。
暗さと明るさの”コントラスト”というと、ちょっと違う感じがします。この場合は、くっきりとしたコントラストではなく、一刻ごとに表情を変えるようなグラデーションを感じます。嵐の後の立ち上る雲に陽光が当たっているような、繊細で微妙なグラデーションです。ちょうどSilas Toballによるジャケット・デザインの雰囲気。これは、おそらく楽曲に合せて注文したものではなく、Toball氏の作品の中から選ばれたものだと思いますが、不思議なほど本作にマッチしています。

本作は、「今までと違うレコーディング方法を試したかった」とのRoine Stoltの意向の元で制作されました。それは、TRANSATLANTICの「The Whirlwind」で行われたレコーディングを参考にしたもので、ある意味、実験的な一枚と言えるかもしれません。

その方法というのは、レコーディング前に完成した曲を作らず、スタジオでメンバーと力を合せて作っていくというもの。制作過程で、どう転ぶかわからないので、とても難しく、他のメンバーは不安だったようですが、結果的に大変素晴らしい作品が生まれました。

傑作や力作という言葉だけでは物足らない、何かしら不思議な力のこもった奇跡的な一枚になる予感がします。そのうち時が語ってくれるでしょう。

さて、バンドのリリース前のアナウンスでは、今までと違ってヘヴィ&ダークであるということでした。TFKの一般的なイメージでは、ポジティブな明るさが身上でしたから、リスナーも少し心配だったかもしれません。けれども、いつものTFKらしい温かさや繊細さ、優しさは少しも損なわれていませんでした。サウンドも、いつもながら、緻密でクリア。今回は、特にコーラス隊を強化してるのがいいですね。

歌詞については、今回は明確なコンセプトを持っています。
現代の、絶え間ない戦争、飢餓、環境危機、宗教闘争に関する政治的意見があるとのことですが、Roineの子供時代に深刻な問題であったベトナム戦争からの影響も見受けられるようです。歌ではなく、バックで時折聞こえている「I want peace as much as you do.」というセリフは、1969年11月3日のニクソン大統領の演説から来ているようです。
歌詞については、まだまだ読み解くようなところまでたどり着いていませんので、今後も少しずつ考えていければいいな、と思っています。

(2013/11/5)

Desolation Rose オフィシャル・ビデオ
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