♪Transatlantic Intervew May 2001♪
From Flower Power

This interview and the photo are from
Flower Power

Q:
今日は。お元気ですか?

Neal:元気だよ。
Roine:元気です。
Mike:上手くやってるよ。
Pete:うん、元気だよ。

Q:
まず最初に新しいアルバムの話の前に、Transatlantic(以下T.A.)のライブアルバムが出ましたね。

Mike:
凄くハッピーだね。ビデオにはちょっとがっかりしてたから。ビデオの方はきちんと映像と音があってなかったりしてたから、、、。SMPTeというタイトルのアルバムなのに何て皮肉なんだろうか!!! とにかく、ビデオはミックスはされていなかった。ギターは入っていないし。ロイネは後からギターは被せなくてはならなかったし、勿論、それはビデオの動きとは合うはずもない。俺は両方とも関わってはいないのだけれども、正直に言うとCDを聞いた時は嬉しい驚きに包まれたね。よくミックスされているし、パフォーマンスも申し分ない。
(訳者注:SMPTeはSociety of Motion Picture and Television Engineersの略。これは映画、ビデオ等の音声と映像の調整をする役割を持つ物である。元々はビデオカメラとその機材が本来の働きを成すように作られた物であるが、現在は更に広がりシンセサイザーからステージライト、全てのマルチメディアイベントをつつが無く一致させる為に用いられている。

Neal:
僕はとても素晴らしいライブレコーディングだと思うよ。全てがあるべき所に収まっているし。ライブテープを使うと滅多にこういう事は起こらないんだよね。しかし、凄く大変な思いをしたのもまた事実でね。作業は凄く難航したよ。僕があれこれと小さな箇所を手直しをしようとした時、判るだろ?僕の言う所は?つまり、ボーカルが歪んでいたり、キーボードのトラブルがあったり、一つか二つね、、、(笑いながら気が付いて)、決して沢山じゃないよ!

Q:
つまり、あなた達はとてもプロフェッショナルであるという事ですね。

Pete:
君としてはそう思いたいだろうね!違うかい?

Neal:
その通り。そうであろうと努めてるよ。とにかく、僕はライブテープのデジタルコピーを作りたかったんだけど、悪夢のような機材トラブルにいつも巻き込まれてね。全てレンタルした機材なんだけど、それに移そうとすると絶対に上手く行かないんだ。毎日、違う、新しい事を試したよ。エンジニアを呼びつけてね。正気の沙汰ではなかったね。簡単に言えば、僕が直したロイネの箇所は全て歪んで聞こえるし。それで、つまり「隠さ」なければならなかったのさ。君には確かに変わりはないように聞こえただろう。それは確かだよ。でも、僕にとっては凄く動揺させられたね。本当に時間の無駄だったよ。全く必要のない出来事だったし、それだけに1週間も費やさなくてはならなかった。

Q:
今回のライブアルバムは所謂次のアルバムまでの繋ぎと考えてよろしいんですか?

Mike:
そうだね。そんな所だ。特にカバーや僕達のバンドのメドレーなんかは入れて良かったね。

Q:
今回の新しいアルバムはNealの家で4日間の作曲作業から始まりましたね。バンドにとっては良かったですか?

Mike:
勿論だよ。スタジオに入る前に準備出来る事はどんな事でも良い事だからね。俺がこういうのは、今回のように短い時間で一つのレコードを作り上げるにはいつだって突発的な事が必ず起こるからね。

Pete:
今回スタジオに入る前に作業したのはとても良く反映されていると思う。僕達はとても素晴らしいアレンジを一緒にやったね。こういう事はどんなスタジオでも決して起こり得るわけじゃない。特にDark Horse(訳者注:今回2ndアルバムの為に使われたスタジオの名前)ではMikeは僕達と別の部屋で収録しなくてはならなかったし。また、Nealの家に寝泊まりしたのもそうだね(ありがとう、Neal)。今回は僕達が(スタジオで)時間を費やす間お金の心配をする必要も全くなかったし。

Roine:
全くそうだね!そのお陰でスタジオに入るまで多くの時間を節約出来たし。事実、最後の日は作業に追われてスタジオにいたわけじゃなかったんじゃないかな?

Neal:
これは当然と言えば当然の事なんだよね。僕は、ここナッシュビルでやりたかったし、スタジオはもっと高かった。他にも沢山の(スタジオの)候補はあったけど、Dark Horseには特別なものがあったし、みんな気に入ってくれたみたいだったから。問題は結構狭くてね。みんな同時に同じ部屋にいる事は出来なかった。例えば、ドラムが置かれたら僕達はコントロールルームにいたし、それ自体は良い作曲作業には適さなかった。事前に作曲作業をしておいたから、8日間費やす代わりに6日間スタジオで作業すればよかった。だから、コストも掛からなかったし、丁度良いバランスで最終的には終わらせる事が出来た。

Q:
Dark Horseスタジオはレコーディングには理想的な場所のようですね?

Mike:
うん。本当にナイスな場所だったよ。俺にとっては新しいセッティングで何かレコーディングするというのは本当に新鮮だったね。今まで本当に沢山のアルバムをニューヨークで録ってきたからね。Dream Theaterでベアトラックスを使い、他のサイドプロジェクトでミルブルックを使ったし(訳者注:ベアトラックス、ミルブルックス共にNYのスタジオの名前)。ニューヨークを離れてNealの地元で、しかもスタジオは素晴らしくて、そこへ行くのは気分が良かったよ。

Roine:
本当だね。夏はとても綺麗だろうと容易に想像がつくものね。

Pete:
Nealはあの場所を探すのに本当によくやったよ。Dark Horseみたいな場所は簡単に建てられるような物じゃない。そこにいるだけで、こうインスピレーションを受けるんだよね。精神的にも新しい経験を授けてくれるし、そうすれば最初と同じ旅をしなくても済む。これはとても重要な事なんだよ。

Neal:
うん、そうだね。最初に(スタジオを)見た時、これだって思ったよ(笑)。最初に頭に浮かんだのは、、、(幽霊のような声を使って)Transatlantic!本物の旅だね!

Q:
で、どうやってそのスタジオを見つけたんですか?

Neal:
あぁ、それはとても凄い話なんだ。僕はずっと1年余りGlen Rosensteinというここナッシュビルに住んでいるやつとコンタクトを取りたかったんだ。彼はEcholynの最初のアルバムのプロデュースを手掛けたり、他にも沢山仕事をしてるのだけれど、僕は彼と連絡を取り、幾つか僕のソロアルバムにあるメインストリーム系の曲をプロデュースして貰いたかったからなんだ。残念ながらその時は、それは実現はしなかったけどね。とにかく、彼とランチの席で彼は僕にRobin CrowというDark Horseスタジオのやつに会うべきだって言われてね。彼が言うにはRobinは大のYesファンでJon Andersonと一緒にアルバムを作ってるって話してくれてね。Glenとの仕事は実現しなかったけど、こうやって巡り巡ってDark Horseを見つけたと言うわけさ。

Q:
また一同に介してメンバーに会って良かったですか?

Mike:
勿論だとも。前回の時は全く違う状況だったからね。物理的に会う事自体が初めてだったわけだし。でも今回は既に沢山の事を一緒に成し遂げた後だったからね。東海岸ツアーを6月にやってProgFestの為にまた8月に集まって、そしてNAMM(ショー)でまた集まった。だからこの期間ずっと連絡を取り合っていたから。

Pete:
このメンバーに会うのはいつも楽しみだよ。それに何か特別な物が生み出せると分かっていれば尚更ね。だから、どんどんワイルドにクレイジーになっていくよ。時々凄い緊張が走る事もあるけどね。特に僕達がバックトラックを録る時全てビデオとDATに収めると決めた時はね。判るだろ?いつだって物事は必ず順調に行くわけでもない。人は動揺もするし、窓から世界中の人間や奥さんから見られるのを好むわけではないんだ。そんな感じがする事もあるんだよ。それでも僕達が自分達で厳しいスケジュールを決めてしまったんだけどね。だから、どれだけ「ファン」を求めるかは自分達次第ってわけさ。

Neal:
特に全てが始まる前の最初の数日はね。とても緊張した空気が張りつめた事があったよ。最初の数日ってのは凄い新鮮なんだよね。判るだろ?で、それから、(ちょっと考えながら)、だ〜らだ〜らするんだよね(大声で笑い出す)。冗談だよ。冗談だからな!今のインタビューから消してくれない?

Q:遅すぎます。

Neal:
あら。いや、真面目に言うとね、とっても素晴らしい経験だったよ。それに幾つかみんなが驚くような瞬間ってあったからね。

Q:
それを聞いて嬉しいですね。1stアルバムの後の今回のアルバムでケミストリーという点では4人の間では上手く作用しましたか?

Pete:
ケミストリーという言葉はシンプル過ぎるだろうね。みんな同時に音楽のアイディアが出てくると言うのはとてもクレイジーなものだよ。それが全て同じ所へ向かっているんだから尚の事ね。それでも、敬意と理解力がいつもあった。何も強制するようなことはなかったし、説明をしなくてはいけないとう状態ではなかった。それはとてもユニークだと言えるだろうね。

Neal:
僕が思うに上手く行ったと思うよ。違うテーマなどが一緒になっていくのを見て行くのは素晴らしかったよ。僕達全員があれこれとアイディアがあって、例えば僕が一つ出せば、Roineが入れて、Peteが続き、そして最後には上手い具合に収まるべき所に収まる。

Mike:
それは確かに、そうだろうね。今回の方が上手く行ってるのは、つまり、前回で紹介部分は全て終わってるからね。それで今回はクリエイティブな面に完全に集中出来たし、お互いが協力しあって出来上がったからね。

Roine:
全くその通りだと思うよ。僕達が作曲を始めたら、凄いエネルギーが満ち溢れている。今までに一度もこんなにリハーサルや作曲作業が早く進んだバンドにいた事はないね。常にそこには新しいアイディアを持った誰かがいて、僕達はいつもそのアイディアに対してオープンだったし。それが僕達の目を覚まさせてくれていたのさ(笑)。このバンドにいたら、その辺りの角で寝てるなんて事は出来ないからね!

Mike:
このアルバムを作っている間、俺が気が付いたのは、このバンドは決してフルタイムで出来るようなバンドではないって事だね。訪ねるには良い場所だけど、そこに住もうとは思わないよ(大声で笑う)。判るだろ?4人のキャプテンが一つのチームにいるんだぜ?

Pete:
フルタイムとしてやっていくにはとても無理だね。レコーディングの終盤でさえ大変だって言うのに。みんなここはああしたいと思っていてもそれを動かす事も出来ずに凄いフラストレーションが溜まっていたのを感じられたしね。

Roine:
僕もジョークとしていつも言うんだけど、このバンドは僕達全てのアイディアを詰め込むには小さ過ぎるんだよ。でもそれがまたT.Aの強みでもあるんだ。

Mike:
そうそう(楽しそうに笑う)。まるでELPが4面使って各々やったようにね。

Q:
このバンドが音楽を創造するのに、全員であれ、個人であれ、きっと一人一人で一つのアルバムを作ってしまうでしょうね。

Mike:
その通りだよ。何の問題もない。Roineが言ったように、多くのアイディアが出され、その全てを上手く使う事には時間がなかった。作曲に関しては何の問題もないよ。つまり、二つの長い曲各々はYesクラシックのどれよりも長いしね。

Neal:
それでも僕達みんなそれを楽しんでいるんだけどね。特にPeteだよ。彼は本当に楽しいんだ。(レコーディング中や作曲中の)彼を見るべきだったね(笑)。ある時、僕がスタジオの外で歌詞を書いてる時、Peteが中でベースパートのオーバーダブをしてて、階段からまるで子供が掛け降りてくるように降りてくるんだ。彼はとても興奮してて、叫んでいるんだよ。(イギリスアクセントを真似ながら)「凄いぜ、これ、凄いぜ」って。

Pete:
(笑)スタジオの中にいるとね、上手く行くと凄く燃えてしまうんだよね。この年でさえ。それでこれは素晴らしい物だって判るんだよ。

Mike:
俺達は意識的に今回はもっとグループが演奏してるように聞こえるようにしたと思う。4人別々に演奏してるような物ではなくて。今回はみんな輝く瞬間を持ってるね。

Pete:
今回は僕にとっては4人で一緒に作り上げたって感じだね。それが強みになってると思うよ。

Q:
T.A.のウェブサイトに掲載されていた4人の日記を見ますと、何度か物凄い緊張が走った時というのもあったみたいですね。

Neal:
ああ。スタジオに入っての初日は機材のセットアップをしていたんだけど、あれも凄かったな。

Mike:
スタジオに入る初日っていうのはいつも凄いストレスを感じてしまうよ。沢山やらなくてはいけない事があるからね。例えば、気分を整えて、ずっと機材をセットアップして、そこでの作業に慣れようと努力し、エンジニアともコミニュケーションを上手くとれるようにしなくてはいけないし、、、。

Neal:
Mikeはいつも物事を素早くする方なんだよ。僕よりもね。ごく普通の状態でも彼(Mike)は(NYアクセントを真似て)「もっと、もっとエネルギーを注ぎ込まないとっ!」って感じなんだよ。まるで競走馬だよ。彼はいつも動き回ってないと気が済まないのさ。

Mike:
Peteがさっき言ったように、(スタジオに)カメラを持った奴や写真を撮る奴があちこち走り回ったりして、、、で、始めるには小さな所だろ?それで、俺が色々と仕切らないといけないと思ったわけさ。ドアを蹴り上げて「おらぁ、みんなここから出て行けぇ。オレ達ャここでレコードを作るんだからな!」って叫ぶわけさ。

Roine:
ま、本当に真剣にそうやってたわけではないけどね。ただ時々レコーディングエンジニアが僕達に付いて来れない事があったね。それで、Mikeが、、、

Neal:
ご機嫌ななめだったわけさ!(Mikeが笑う)

Roine:
ははは。そうそう。でも本当に張りつめた空気と言うのはなかったと思う。Mikeはジョークを言って僕達を笑わせてくれたし。寒々とした状況はなかったよね。

Mike:
うん、まぁ、初日はね、、、確かに、、、(と言って、止まる)

Neal:
(ちょっと迷いながら)とってもご機嫌ななめだった?

Mike:
(笑い転げながら)そう、そう。それにこいつらが朝起きて、やる事といったら、、、!俺だったら夜の6時に起きて朝の6時までやるね。

Pete:
僕はもっとひどい状況にいた事があるからねぇ。でも初日という物はいつも作業全体の速度とかを決めてしまう物なんだよ。Edは、今回のエンジニアだけど、僕達がどう物事を進めたいか分かっていたし、更に重要な事に僕達がどれだけ砂糖なんかを入れるのかも知っていたからね。(訳者注:この砂糖は比喩でしょう。曲の装飾だと思って良いかと。ジョークも兼ねていそうだけど。ダブル・ミーニングというやつかな?)

Q:
このアルバムにはもっとバンドっぽい雰囲気が出てますか?

Pete:
作曲の段階でみんなで作業したのが良かったね。Nealの作った曲から僕のピアノを入れて、Roineのソロを入れてって出来たけど。それぞれ持ち寄ったアイディアがきちんとはめ込まれていくのを見るのは興味深ったね。僕達が今回の為に家で考えて来た曲やアイディアは無駄にはならなかったと思うよ。

Roine:
今回のレコーディングには僕達はあれこれと少しづつアイディア等を盛り込んでいる。曲は特に僕のとかNealのとかっていうのがないね。1枚目と違って。今回はもっとみんなが参加してPeteも更に貢献してくれてる。今回は更にインストルメンタル・パートが充実してると思うよ。Mikeも彼のアイディア、エネルギーで凄く影響を及ぼしてる。夜に僕達が寝ている間、Mikeは何時間か座ってテープを聞き返しながらノートを取るんだ。僕達が次の日戻ってくると彼はセクションのあちこちに違ったアイディアを沢山持っているんだ。だから今回彼はアレンジメントに凄く関わっているよ。それに曲が凄く良いんだ。僕達は今回は本物のグランド・ピアノやハモンド・オルガンを沢山使って前のアルバムよりもずっと前進して完璧な音になったよ。

Neal:
今回はみんな前回よりも関わったね。Roineが言うように、特にPeteがね。全て上手くいって、良かったよ。これがこういう共同作業の良い所なんだよね。それが働いてる時はとにかく素晴らしい。働いてる時っていうのは、つまりみんながお互いのしている事を気に入っているという時だね。上手くいってない時というのは、反対にひどく最悪な状況に持っていかれるけど。確かにそういう時もあったし、僕もそう感じた時もあった。でも今はそういうのを自然に任せて追いやってしまったら、とても気分は良いよ。

Q:
あなた達の内の何人かは自分達のバンドを率いてますよね。やはりそれが、沢山のキャプテンを持つチームのようになってしまうケースを作ってしまうのでしょうか?

Neal:
そうだろうね。1枚目の主な問題は、これは他のメンバーには既に話したんだけど、僕が他のメンバーをもっと信頼すべきだったのに、信頼出来なかった事だね。

Mike:
(Nealに向かって)お前は随分と良くなったよな。全ての作業に於いて色々と前回から学んだようだし。

Neal:
もしも僕達全員が一つの方向へ向かっているなら、こういう事は起こらなかったはずだと思うよ。僕はただ座って激を入れていれば良かったんだから。もし、それが上手く行かなければ、他のメンバーが判るはずだしね。前回は、僕は何でもすぐに飛びついて物事を進めてしまった。僕が作業の間に出てきたとても良いアイディア等を殺してしまった。それに関しては弁解の余地もないね。何人かの人をとても怒らせてしまったかもしれない。

Mike:
僕達の中で、きっと全然進歩してないのは俺だね(もう一度笑う)。僕は未だに物事をコントロールしがちだし。多分俺が一番、そういうコントロールする力を手放すのが下手なんだじゃないかな。その反面、このプロジェクトから離れている時はそういうコントロールする立場から離れているのを楽しんでいるけどね。それがまた別の要素だよ。ここで、君に例をあげよう。ライブビデオを作っている間は俺は関わらない事を楽しんでいたけど、作曲となると、俺はとても「押し」が強くなってしまうんだ。

Roine:
それでも、一番忘れてはならないのは、これはとても良いアルバムだという事。僕は音楽が良ければ、それが誰によって書かれていようが、どういうプロセスを経て来たかという事はどうでも良い。良い音楽を作った。それだけさ。

Mike:
俺達の中でRoineは、きっと一番受け身だと思う。思うんだけど、たまに俺達はお互いがあまりにも「押し」が強くなるのを恐れて、静かにお互いの様子を見ながら、作業をしてた時もあっただろうな。

Roine:
君がいない時は僕はもっとアクティブだったよ。確実にね!(笑)Mikeはいつも僕達よりも遅くに起きてくるんだ。そこにいるのはいつもPeteとNealと僕だったよ。2、3人とで作業を進める時はちょっと静かだし、僕達をもっとアクティブにクリエイティブにもしてくれる時がある。4人いっぺんに集まると、ちょっと混み合う感じがするね。

Pete:
Roineの言った事は凄く的を得てるね。それこそが我々が誇りに思う事であり、一枚目のアルバムでの経験によって、僕達はみんな同じゴールを持っていて、何が上手く行き何が上手く行かないかを分かっていた。例えば、僕は自分が出したアイディアの一つを消した。なぜなら、それはちょっとアイディアとしては弱いと思ったし、それによってアルバム全体に悪影響をもたらせたくなかったからだ。

Q:
今度のアルバムのミックスは誰が行うんですか?

Roine:
Rich Mouserという人物だよ。今回はドラムの音が前よりもずっと良いからね、良い音に仕上がると思うよ。前回はちょっと音の輪郭がよくなかったと思う。僕達のうち、誰も(ミックスを)出来る人がいないので、それならばRichにやってもらいたいと思う。

Pete:
Richの手掛けた最後の作品はとても良かったのでね。それで僕も賛成した。

Q:
新作に関して何か話せますか?

Neal:
(大声で笑いながら)歌詞はただの言葉の羅列じゃないよ!これらは叙情詩だ!

Q:
"Hanging in the Balance"もしくは"Stranger in Your Soul"と呼ばれていた曲がとてもお気に入りだそうですが?

Mike:
俺はこれでアルバムを終えるのが最適だと思うね。俺がいつも情熱を傾けている事の一つに曲順がある。俺はこれでアルバムを終えるのが目に浮かぶんだよ。

Neal:
僕は"Stranger in Your Soul"と呼んでいるんだけど、どうかな。まだ判らないよ。他の呼び方をするかもしれないし。この曲は大好きだよ。Peteが書いたオープニングがあって、どんどんと変わって行くんだ。僕達全員で作り上げたのさ。凄く綺麗で、、、いつまでも心に残るような、、、最初のセクションの終わりに出てくるメロディーが、とても、、、ね。

Q:
では、これがあなたの一番のお気に入りと言っても構いませんか?

Neal:
え?う、う〜ん、、、(ちょっと考える)判らないなぁ、、、う〜ん(まだ決めかねている)、この中にあるセクションの、、、(最後に、ちょっと抵抗するように)うん!(笑)

Q:決めて下さいよ!

Neal:
(まだ笑ってる)だめ、、、だめ。出来ないよ。そう呼ぶには大変過ぎる。「これだ!」って思った事も確かにあったけどね。

Pete:
とても素晴らしい共作だよね。沢山のムードを持っていて。25分ぐらいの曲で聞き手はどんどんのめり込んでいくよ。でも最後にちゃんと一つに繋がるんだ。

Mike:
これはとても強力な曲だね。Peteが今言ったように、今まで聞いた事もないような素晴らしいフィナーレがある。この曲全体が何か神聖で美しさを持っている。

Q:
"Suite Charlotte Pike"は10分か12分より少し短いぐらいですね。

Neal:
それはね、もっとポップやロックのアイディアが沢山詰まって出来た物で、そんなに沢山同じアイディアが繰り返し出てくるわけじゃない。

Roine:
これはある意味僕の曲とNealの曲とPeteの曲が一つになったような物だよ。"Abbey Road"のB面のような感じで一つになっている。これら一つ一つは曲じゃないけど、上手く一つにまとまった。メドレーっぽいね。

Pete:
これは僕にとっては最もエキサイティングな曲の一つだね。みんなは僕達がこういうアイディアを使ってこうするとは思わないだろう。編曲作業を止めて、現代彫刻みたいに部分部分を繋ぎ合わせてるだけだからね。

Mike:
以前から言ってる事だけど、このバンドにはポップグループからの影響が物凄くあるんだ。例えば、Beach Boys、Queen、Beatles等ね。"Pet Sounds"、"Sgt Pepper"、"Night at the Opera"なんかがそうだ。こういう感じの曲への愛が盛り込まれている。それで僕達はそういうのをもっとプログレっぽい感じで仕上げたらもっと効果的だと思ったのさ。僕が常に言うのは一つや二つのアイディアを伸ばして5、6分の曲を作らないようにすることだね。"Mystery Train"なんかはそうかもしれない。もっと短くして強力な感じに仕上げた方が良かったかも。Roineが言ったように、これは"Abbey Road"のB面みたいだね。

Q:
そして"Duel with the Devil"(以前は"Dance with the Devil"と呼ばれていた)も20分を超えますよね?

Neal:
そうなのかい!そいつは知らなかった。まだこの曲は計ってないからね。18分か19分ぐらいだと思ってたよ。

Roine:
いやいや、20分は超えるよ。

Neal:
(Roineに向かって笑いながら)それなら、もしもあのスペーシーな感じのやつを2、3分やってくれたら、、、

Roine:
(笑いながら)あれを足したら30分以上にだって出来るよ!

Pete:
これも、また、RoineとNealという二人の素晴らしさが出てる曲だね。とっても良いテーマ部があるんだ。

Mike:
今なら、僕はこれをアルバムの最初に持ってくる事が目に浮かぶね。これはもっと、沢山のパートを持つ典型的なクラシックなプログレでサックスも入っているんだよ!

Q:
それに少し短い曲の"A Bridge Across Forever"という曲も含まれているんですよね?

Mike:
僕はあの曲ではプレイしてないよ。それはNealが持ってきた曲なんだ。"We All Need Some Light"に似てるかな。僕達はこれを聴いて、これ以上僕達が特に手を掛けて台無しにすることはないと思ったんだ。Nealのデモを聴いて、そこにはドラムが入ってなかったから、そのままにしておくのがパーフェクトだと思ったんだ。事実、バンドは僕の後にこの曲を録音したんだよ。それなら僕は聴かなくて済むだろ(笑)?だから、多分僕が聴くのは君たちと同じ時だろうね。

Neal:
これは僕が90年代中頃に女の子と書いた曲で、、、ところがこの曲も彼女も見付からなくてさ!(笑)それでこれを録音してCDに入れてメンバーに11月に送ったらみんな気に入ってくれたみたいでね。スペーシーな感じのバラードだよ。4分ちょっとかな。ちょっとアルバムに合うかどうか判らないけど、、、。入るかなどうかもまだ判らないよ。

Roine:
(力強く)勿論入るよ!これはベストな曲のうちの一つだよ。僕はこれに票を入れるね。

Pete:
うん、これはとってもナイスなピアノとボーカルのバラードだよ。最初に聴いた時なんか、涙が出てきたものね。

Mike:
多分スペシャルエディションに入ると思うけど、カバーも録音したよ。

Q:
"Shine on You Crazy Dimaond"ですか?

Mike:
そう。日記では発表したくなかったから言わなかったけど。NAMMショーでやったのもみんな知ってるしね。でも今なら正式にアナウンスしても構わないと思って。俺達はこれをエキストラだと思ってるんだ。ちょっとアレンジを直してね。Floydのバージョンは"Wish You were Here"アルバムの最初と最後に分けられているだろ。それで、その二つを合わせて一つにして、幾つかのパートを削ぎ落として、より強力な感じにした。結果的に25分の物が15分ぐらいになったのかな。それにもう少しTransatlanticぽく、Pink Floydらしくないようにもした。インストルメンタル部はジャムを沢山してる。その他にも沢山のアウトテイクがある。それらも入れられたら良いだろうね。Roineのデモの一つとか、Nealのとか。そうすれば曲がどうのように最初の作曲作業から最終的な曲となるまでの進化の過程が判るだろう?

Pete:
スタジオにいる間に"Shine on"のリハーサルをしたんだけど、時間が余りなくてね、それで随分と緊張したよ。最後にはとても良いアレンジで仕上がったし、それを録音しても良いと思うようになった。ただ僕達はそこでやるべき事をして(録音)機械があってそれを録ったって感じだね。良い出来だよ。

Q:
このアルバムの全体の作業、作曲にしろ録音にしろ、みなさんとても満足してるようですね。とても仕上がりに満足してる様ですよ。

Mike:
うん、その通りだね。俺としては勿論1枚目だって金字塔的なアルバムだと思ってるけどね。あれよりも良い物を仕上げられるか不安だったよ。でも、そこから離れて、こう思う事が出来た、、、。「凄いや。これは更に良い物じゃないか、、、俺達はやり遂げたんだ!」ってね。

Neal:
僕もそう思うよ。共同作業は本当に上手く行ったし。ぼう説明して良いか判らないけど。結婚、、、かな?曲はポップとかポップじゃないとか、で片付けられない。ただ1曲1曲上手くプレイしたって感じだね、今回は。

Pete:
僕は1枚目からグループとして成長したんだと思う。プロジェクトとして始まり、その今僕達はこのアルバムでここまで来た。僕達みんな楽しんでやってきた。こういう感じで上手く全てを盛り込めたのはとても楽しかったね。

Roine:
もっとレイドバックしたアルバムだね。僕の耳には沢山のエネルギーと成長の後が伺える。1枚目をやった時は会うのも初めてだった。今回、またみんなと一緒に出来ると分かったのが嬉しかった。沢山の良いパートがあって沢山の感情豊かな音楽を作れると言う事がね。きっとダイハードなプログレファンには受けるよ。ただ単に長い曲があるからじゃない。MikeとNealとPeteと僕がいるからじゃない。これが本当に素晴らしいアルバムだからだよ。全くの新しいグループの新しいアルバムならみんなこれを大好きになってくれるよ。

Q:
きっと既に多くの人達はこのアルバムを聴く前からこのアルバムを大好きでしょうね。

Roine:
全く、君の言う通りだよ!(笑)。きっとみんなは今年のアルバム・オブ・ザ・イヤーをこれが発表される前に決めてしまってるんだろうね。このアルバムの素晴らしい所は、曲の一つ一つが独自で素晴らしい物だから、誰がいるとか書いたとか関係なく、音楽そのものが素晴らしいから気分が良いんだ。
Thanks:Ian Oakley, John Silverwood & T-Max(Translation)

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