This interview and the photos are contributed by John A.Wilcox
ProgSheet


The Flower Kingsの創始者であるRoine StoltがJohn A.Wilcoxに意味深い言葉を語ってくれた

最近のプログレと呼ばれる音楽の中で最高のものと言ったら
Flower Kingsがそうであろう
"Flower Power"や新作の"Space Revolver"等には
豊かな演奏、嬉しい驚きの連続のアレンジイメージを埋め尽くすような歌詞が詰まっている
このスウェーデン産のグループの主力がRoine Stoltである
Stoltはthe Flower Kingsの作曲者であり、ボーカリストであり、ギタリストである
その彼がProgSheetに彼の考えを語ってくれた


Q:
生まれて初めてのバンドは何でした?どんな音楽をそこではしていましたか?

RS:
そのバンドには名前はなかったと思うよ。多分、12歳か13歳の時だね。学校にいた頃さ。ベースをプレイしたね。
自分で作ったベースに、チューニングが合わない4本の弦。それを2X4ワットのステレオアンプに繋げたよ。Jeff BeckやCharlesLloyd、Beatlesの"A Day in the Life"、Crimsonの"Pictures of a City"やCannonball Adderlyとか、The Doorsの"Wild Child"、あと多分、Hendrixもやっただろうな。よく覚えていないけど。でも全部インストだったね。しょっちゅうメンバーが入れ代わったり、名前が変わったりしたよ。
71年か72年頃に自作曲を書くようになったんだ。その3年後にSantanaの曲を3曲レコーディングしたよ。Samla Mammas Mannaのメンバー2人とね。その時は彼等の事を全く知らなかったんだけど。それからはもう150にも上るレコードを録音したよ!

Q:
初めて聞いたプログレって何ですか?

RS:
それはプログレの定義にもよるんだけど、、、そうだね、多分Beatlesの"Revolver"だろうね。66年辺りかな。それからThe Mothersの"Hungry Freaks Daddy"。67年の"A Whiter Shade of Pale"、同じく67年の"I am the Walrus"と"Strawberry Fields"。Jimi Hendrixの"Hey Joe"や"Purple Haze"、、、Pink Floydの"See Emily Play"、、、The Doorsの"The End"、69年のKing Crimsonの"21st Century Schizoid Man"。もうこれは凄かったね!でも僕のお気に入りはいつでもProcol Harumだったね。一枚目や"Shine on Brightly"とか。よくプレイしたよ。それに"A Salty Dog"、とっても素晴らしいアルバムだよ。

Q:
どうしてこのタイプの音楽を書いたり、演奏したりするようになったのですか?

RS:
思うに、プログレと一般的に呼ばれる音楽には僕の違った嗜好の数々を集めた物だと思うんだ。僕はクラシックや、ジャズ、映画音楽、ロック、サイケ、電子音楽、フォーク、ブルーズ、教会音楽、環境音楽、が好きだから。で、それらを全て僕の作曲の中に取り入れてしまうんだ。それがみんなの好きなプログレと呼ばれるものになるんだと思う。

Q:
何年にthe Flower Kingsは始まったのですか?またその時のラインナップは?

RS:
1994年の8月20日に近所のプログレのフェスティバルで演奏したのが初めて。その時は僕と、Tomas Bodin、Michael StolotとJaime Salazarと2人の友達。その友達はアコースティックギターとバッキングボーカルを何曲かでやってくれた。数カ月後、Hasse Bruniussonがパーカッションで入ったんだ。

Q:
これだけプログレのファンに早くに認知を受け、受け入れられた事に驚きましたか?

RS:
う〜ん、そうだねぇ、、、いや、そうでもないよ。90年代の半頃はプログレのシーンに何かが欠けてると感じていたからね。多分、GenesisやELPのクローンが多すぎて、オリジナルな物が全くなかったからだろう。多くのプログレのファンにとっての以前のヒーロー達はもうそういう音楽を演奏しなくなり、もっとコマーシャルな音楽、冒険のない音楽に行ってしまったからね。
それと同時に何年もセッションミュージシャンとして他人の音楽を演奏する事で生計を立てている間、僕はもっと何か新しい物に専念する時だと感じていた。セッションを通じて学んだ事を「本当の音楽」に反映させる準備が出来たんだ。僕は完全主義者なんだ、、、だからやろうと思ったのさ。僕達は基準の高いプログレのレコードが作れると分かってたからね、以前のプログレの巨匠が持っていた基準の高さだよ。

Q:
"Flower Power"に入ってる"Garden of Dreams"のコンセプトについて話て貰えます?

RS:
そうだね、、、コンセプトというのは少し大袈裟かな。つまり僕達は一時間近くの音楽を作り上げてしまったという事なんだよ。それはTomas Bodinが作った8分程の音楽から始まった。僕達は「スタイルや時間に制限を作らない」と言ってね。それでづっと書き続けたんだ。歌詞に関してはあまり話したくないんだけど、全ては"The Garden of Dreams"に繋がるんだよ。つまり、僕達は僕達の夢や人生、希望という庭の庭師自身だと言う事だね。それで人生を自分自身で動かす。基本的に僕達は「エデンの園」にいるんだよ。そこで生まれ、カードを捲り(人生を送る)やろうと思えば、この地に天国をもたらす事が出来るんだ。でももしも、ネガティブな力に押されてしまえば、僕達は僕達の園を失う事になる。僕達は成長が止まってしまうかもしれない。螺旋を描くように落ちていってしまうだろう。だから"Don't Let the d'Evil in"(悪魔を入れさせるな)なんだよ。
西洋文化圏にいる我々は多くの優れた物事に囲まれ、物理的な豊かさの中で生活を営んでる。でもたまに精神的に扉を閉じてしまってると思うんだ。もしかしたら、我々が部族で生活してた頃に戻る必要があるかもしれないね。全てのビジネスを止め、お金や権力を追う事を止めて、地球の音に耳を傾けはじめなければいけない。僕達は不幸な人達に分け与える喜びという事を再発見する必要があるよ。「人生とは何か」という事を理解する事はとても大変な事だよ。その手引書は我々の目に見えるものではないのは確かだね。
"Indian Summer"は年を取ると言う事。僕達の両親が年を取っていくのを見る事。
"The Final Deal"は死だね。でも悲しいものではなく、尊厳のある死の事。そういうものがあると信じたいね。僕は地球と一体になる事で、僕達がその生のサイクルの稲穂の一つであることを受け入れれば、安らかな死、そしてそこから始まる大きな旅を迎えられると感じてるんだ。それがどのような世界であれ、無であろうともね。僕達はここに足跡を残してる訳だから、どんな物であろうとね。それこそが大切なんだよ。

Q:
どのようにしてTomas Bodinと出会ったのですか?そして彼のキーボードのどのような所が好きですか?

RS:
Tomasに初めて会ったのは1985年に遡るね。彼は当時"STOLT"と呼ばれていた僕のバンドに合流したんだ。僕は彼の前向きな姿勢や多くの音楽スタイルに対してオープンな所が好きだよ。彼はとても格好良く変なシンセやキーボードの音を作り上げたよね。僕にとってはある意味兄弟のようなものさ。

Q:
多くのプログレや実験音楽がスウェーデンやオランダから出てきています。この地域というのは全く違う音楽を受け入れる土壌というのがあるのでしょうか?

RS:
スウェーデンに関しては、、、僕にも何故Anekdoten、Par Lindh、Anglagard、Landberk、Sinkadus、Ritual、Isildurs Baneなんかが出てきたのか全く判らないよ。多分、スウェーデンでは一般的に音楽の教育が進んでいるせいかもしれない。それが影響して、多くの違った音楽、クラシックやフォーク、ジャズ等と馴染んで来たからかもね。子供達は最低でも一つの楽器は弾けるように習うしね。

Q:
私はthe Flower Kingsをプログレッシプバンドと呼びますが、ちょっと興味があるのですが、あなた御自身はどうバンドを捉えています?The Flower Kingsは意識的にプログレを演奏してるのか、それとも特にその様な意図はありませんか?

RS:
う〜む、、、別に僕達がBeatles、HendrixやCrimsonの様な新しい何かを作り上げたバンドだと言うつもりはないよ。そうだね、、、確かに僕達は違ったスタイルの曲を書こうとしてる、もっと範囲を広げ多種多様なスタイル、ムードを含めてね。うん、だからプログレと呼んでも良いと思う。そうみんなも呼んでるしね。僕は別に構わないよ。確かに僕達は60年代、70年代のZappa、Yes、Mahavishnu Orchestra、Crimson、Beatles、Vanilla Fudge、The Doorsといったプログレの伝統を受け継いでるしね。

Q: 最近はどのようなバンドを好んで聞いてます?

RS:
Claude Debussy(これは厳密にはバンドじゃないけどね!)、Hansson&Karlsson(スウェーデンのオルガンジャズサイケだよ!)、Chick Corea & Return to Foreverの"Hymn of the 7th Galaxy"、これは素晴らしいよ!Frank Zappa/Mothersの"Freak Out"と"Roxy&Elsewhere"。Miles Davisの"Sketches of Spain"や"Bitches Brew"、"Kind of Blue"にThe Beatlesの"Anthology 3"かな。

Q:
子供の頃はどんなギタリストに影響されましたか?

RS:
僕の最初のヒーローはJimi Hendrixだよ。それからRobin Trower、Carlos Santana、George Wadenius、Peter Green、Frank Zappa、Pat Metheny、Alan Holdsworth、Steve HoweにFripp。そして近くに住んでた奴等でとても格好良くギターを弾いてた連中だね。

Q:
読者にこの6枚がないと生きていけないと言うアルバムを教えて下さい。

RS:
アルバムがなくても僕は生きていけるけどね。勿論宝物のようなものは幾つあるけど、、、その中から何か選ぶとしたら、、、Beatlesの "Magical Mystery Tour"、Pat Methenyの"Still Life Talking"、Yes"Relayer"、Genesis"The Lamb Lies Down on Broadway"、Jon Anderson"Olias of Sunhillow"、Miles Davies"Sketches of Spain"

Q:
Space Revolverの作曲過程や録音過程で今までのアルバムとの違いは何かありますか?

RS:
いや、特にこれといった違いはないんじゃないかな。いつも僕達は僕達が好きなスタイル全てを注ぎ込み、混ぜ合わせてダイナミックなアルバムを作っている。でも、良い音で録音が出来るように時間とお金もたっぷり注ぎ込んでるけどね。良い機材を揃えるように投資してるよ。

Q:
プロデューサーのDon Azzaroさんはどれ程レコーディングで影響を与えてますか?

RS:
もうDonが全てを仕切ってるね!

Q:
Transatlanticに参加しましたよね。次のアルバムとツアーは期待しても良いですか?

RS:
勿論だよ。僕達全員とても楽しめたからね。僕達だけでなく、レコード会社も近い内に次を期待してるみたいだし。今の所良い売り上げをあげてるしね。更にセールスをあげる為に次の事をしないとね、、、いや冗談だよ。来年の頭にはヨーロッパツアーをやろうと思ってる、ヨーロッパでは凄く興味が高くなってるみたいだからね。中ぐらいの大きさの良い所で出来そうだよ。

Q:
The Flower Kingのアメリカツアーはありそうですか?

RS:
勿論。9月の中頃からU.S.A.ツアーを始めるよ。東、西海岸両方をカバーする。日時などの情報は僕達のwebsiteでチェックしてくれ。

Q:
さて、次の世紀に入る訳ですが、the Flower Kingsはこれから我々に何を与えてくれるのでしょう?

RS:
これからも何年に渡って新しくて興味深くエキサイト出来る音楽を意味のある言葉を使って作り上げていきたいね。ツアーもこれからはもっと頻繁に世界中の至る所で出来そうだし、レコードセールスも常に上がり続けてる。だからこの辺りは多くの希望を持ってるよ。それに沢山の良いレビューも受け取ってる。信じられないくらいさ。ファンのみんなのサポートには心からありがとうと言いたい。John、今日は話をさせてくれてありがとう。

Thanks:John A Wilcox & T-Max(Translation)

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